LSS
Laboratory for Space and Structure,Department of Architecture, Colledge of Science and Technology, Nihon University.
作品一覧
船橋キャンパスウォッチング
作品一覧
ここでは、当研究室が設計に関わった作品の一覧を紹介します。
岩手県営体育館(1967)
秋田県立体育館(1968)
FARADAY HALL(1978)
神戸ポートピア’81・国際広場(1981)
つくば万博'85・駅シェルター(1985)
履行スポーツホール(1985)
グリーンドーム前橋(1990)
HYPER DOME "E"(1990)
酒田市国体記念体育館(1991)
天城ドーム(1991)
出雲ドーム(1992)
穴生ドーム(1994)
船橋日大前駅(1994)
先端材料科学センター(1995)
堀之内町立体育館(1996)
Oval Dome(建築会館)(1997)
浦安市総合体育館(1999)
さいたまスーパーアリーナ(2000)
唐戸市場(2001)
山口きららドーム(2001)
静岡・エコパスタジアム(2002)
京都アクアアリーナ(2002)
建築会館・可動式ドーム(2002)
テクノプレース15(2002)
24 - 24
<
>
キャンパスウォッチング
日本大学理工学部船橋校舎にある様々なモニュメント・建築物を紹介します。
船橋日大前駅
1996年4月に西船橋と勝田台を結ぶ東葉高速鉄道線が開通。
このときに新設された駅の内の1つが船橋日大前駅である。
駅舎は20m x 40mの平面規模、プラットホーム、コンコース、
エントランス・多目的スペースの3層から構成される。
土木と建築の融合を目指した本駅舎の基本コンセプトは
「明るく開放的な近未来の駅舎空間」である。
このコンセプトの基、吹き抜けのコンコースに降り注ぐ「光のコントロール」、
展示やイベント用のスペースの設置による「駅空間の解放」、
スピードと飛翔を感じさせる「軽量性と透明性あふれるスケルトン」
が目標とされた。
駅の架構は柱で囲まれた5m x 19.7mを1ユニットとして、
8ユニットのスケルション (SKELTION) から構成される。
テクノプレース15
船橋日大前駅からのアプローチの正面に位置する立地特性を生かすため、
従来の閉鎖的な実験施設の概念を打ち破って、
実験を全てオープンにした「実験室のショーケース化」と、
これらを結ぶ「パブリックスペースの半外部空間化」により、
これからの大学に求められる広報媒体などの新たな可能性を追求した
実験施設の建築的アプローチからの具現化がコンセプトである。
この他、ゾーン配置を学科単位とすることで、
使いやすく管理しやすい明快な計画としたり、車いす用のトイレやエレベータ、
極力段差を設けない設計をしたりするなどバリアフリーへの配慮に加え、
自然採光・痛風の確保や太陽光発電の導入、将来的な井水利用への対応など、
省エネルギーと環境への配慮も行われている。
ウェルカムドーム
学生達による手作り創作活動の「習志野DOME」の一環として、
1997年に現在のテクノプレース15がある場所に建設された。
船橋校舎の入り口にあることから、
歓迎を意味する「ウェルカム・ドーム」と名付けられた。
テクノプレース15の建設に伴い、現在の位置へ移動された。
このドームの構造であるTGD (Tension Grid Dome) は、
不安定な四角形の格子をストリングによって安定させたものである。
この構造の特徴としては剛接合されたドームに比べ
曲げによる力が発生しないため、部材を細くできること、
柱と柱の距離を長くできることなどが挙げられる。
また、軽量化により重機を使わず人力のみで行うことができる。
このドーム形状は曲面を描いているが、
このような曲面をEP (Elliptic Paraboloid:楕円放物面) 曲面という。
FARADAY HALL
da Vinci、Pascalと呼ばれる大食堂と並ぶFaraday Hall。
「煉瓦の外壁に囲まれた約20m x 20mの正方形プランのこの小ホールに、
『理工学部』を象徴するような雰囲気を持ち込む。」
この発想を巡って生まれたのが放射型張弦梁構造である。
この構造システムの特徴は、
1. 平易な斜張式吊屋根の原理を小空間に持ち込む
2. 裸の構造要素の全てを視覚的な空間構成へ参加
3. 鋳鋼によるテンションリングの形成
4. 簡易な建て方作業による架構全体の応力バランスの確保
である。一方で強い構造表現への反発も危惧されたが、
興味ある構造原理を今日の時代に蘇生させること、
失われたテンション構造の復権、合理性や造形性の魅力の見直し
を無理なく図ることを目標に計画された。
一見特殊な素材や構造方式を、
点対称という単純な構造システムに適応するとどうなるか
―― ここに構造計画の出発点があった。
ライトウィング
ライト・ウイングは1998年度 日本大学理工学部船橋キャンパスの
オープンカレッジの開催に際して、
屋外展示や休息のためのテンポラリースペースとして計画された。
その後、同年度の千葉産業幕張メッセの開催に際して、
展示ブースとして幕張メッセの国際展示場に計画され、建設された。
形状は高さ3m、屋根は縦横6mで、アルミニウム部材で構成されている。
アルミニウム部材を使うことによって総重量350kgという軽量性が実現でき、
人力でのリフトアップが可能となっている。
また、アルミニウム材の架構のしやすさから接合部は嵌合方式を採用しており、
その施工性の高さが大きな特徴といえる。
屋根架構はSAG (Suspen-Arch Grid) といい、
アーチ (上弦材) とサスペンション材 (下弦材) をストラット (束材) により
連結した自碇システムとなっている。
レストドーム
最近の大学キャンパスには、教育・研究のための施設に加えて
「生活」のための施設が充実してきている。
理工学部船橋キャンパスの図書館とプラザ習志野に囲まれた中央庭園は、
船橋キャンパス唯一のオアシスになっており、
食事の前後、授業後の憩いの一時を過ごす格好の場となっている。
本施設は中央庭園の一画に位置し、
小規模ながら多目的に使える屋外集会所として設けられた。
単層トラスドームとテンション膜により構成された
シンプルな形態で中央庭園のシンボルとなっている。
春から秋にかけてのクラス集会や、卒研、サークル活動など、
教室内とはひと味違った、緑に囲まれた交流の場として活用されている。
夜間は照明効果により、庭園の樹木の間から見え隠れする
光のオブジェとなっている。
唐戸ブリッジ
大型実験棟の前にあるこのユニットは唐戸ブリッジのテストモデルである。
唐戸ブリッジとは下関にある唐戸市場の市場棟と駐車場棟を結ぶブリッジである。
ここで用いられている立方八面体は辺の長さが全て等しく、
頂点から中心までの距離も全て等しい。
唐戸市場は、建築家 池原義郎によって計画されたものである。
市場棟の「競り場」は100mx45mの西側半分を無柱空間とし、
その上の屋上は関門海峡を臨む芝生広場となっている。
駐車場棟と市場棟の間には通路があるため、歩道橋を造る必要があった。
このブリッジは2階と3階の間の高さにあり、
市場棟に来た客を屋上や市場、食堂へと導いている。
「海の泡のようなものを造りたい」という要望に応えるためこの形となった。
唐戸ブリッジは関門海峡の横で11個の泡となり浮かんでいる。
理工スポーツホール
このスポーツホールにおける張弦梁構造 (BSS : Beam String Structure) の提案は、技術的な特殊解としてよりも、寧ろ一般解としての現代架構は何かを模索するところから出発した。
この基本的な考え方は次の3点である。
1. 力学のみならず、設計から施工に至るまでトータルな合理性を追求する。
2. 大スパン架構にとって歴史的遺産である扁平な形態抵抗構造を継承・発展させる
3. 規模・形状・荷重に合わせ最適な材料や形式を選択しBeamやStringを構成する
立体トラストケーブルの組み合わせから成る今回のBSSは、
梁とアーチとサスペンションの性格が共存するHybrid構造である。
こうした架構特性を背景として採用されたのが、
世界で初めての「完成型・スライディング工法」である。
最小限の構台上で建方から屋根・設備・仕上げを完成させ、順次送り出す。
この工法は定点作業であるから品質管理も安全性も向上し、
工期は通常の約3/4に短縮された。
張弦アンブレラ
このテントは、日本国際博覧会協会の依頼で、2005年に開催された愛知万博の
休憩所として利用するためにデザインされた。
同万博の理念であった削減 (Reduce) 、再利用 (Reuse) 、再循環 (Recycle) の3Rを反映させるため、素材は木材を利用(後に一部アルミニウムに変更) 。
最少限の材料で簡単に組立ができ、万博終了後も使えるように工夫されている。
人力による簡単な組立を実現するためには部材断面の縮小化が必要であり、
そのためには合理的な構造システムが必要である。
そこで、柱の上に束を立て、束の上端と腕木の先端を引張材で繋ぎ
トラス構造にすることでこの問題を解決した。
ベンチがアンカー代わりとなり、
腕木とベンチを繋ぐ4本の引張材が風力に抵抗する。
愛知万博が終わった後、60基あったテントのほとんどは自治体が引き取り、
余ったものは駿河台・船橋 キャンパスへ移動された。
張弦アンブレラは今でも学生の憩いの場となっている。
Tensegric Truss Type Ⅲ Arch
Tensegric (テンセグリック) とは
Tensegirtyが意味する「張力」 (TENSion) + 「統合」 (intEGRITY) を
より広く解釈することによって、位置付けられるシステムのことである。
「不安定な部材や架構をテンション材で統合し安定化するシステム、
反力 (水平) に対する自碇式や部材の接触も可とする」ものと定義される。
(空間構造物語 著:斎藤公男)
テンション材による構造挙動の制御や、部材やジョイントの簡素が生む、
組立・解体の容易さ、明快且つ軽快な構造実現の魅力などが特徴である。
Tensegric Trussには他にTypeⅠ、Ⅱがあるが、TypeⅢが力学的に優れている他、架構の軽量性・透明性、形態自由度の高さなどの特徴がある。
Tensegrity Sphere
Tensegrity (テンセグリティ) とは、「張力」 (TENSion) と「統合」 (intEGRITY) という2つの言葉から生まれた言葉である。
この造語は、アメリカの数学者であり建築家でもある
リチャード・バックミンスター・フラー (1895 ~ 1983) によって
作られた言葉である。
具体的には曲げ力や剪断力を軸力に変換する構造により、
最小の断面で最大の構造物を造る、という彼の思想が反映されている。
しかし、この構造は、複雑で予想のしにくい非線型挙動や大変形を生じやすい点、張力の管理が難しい点などにより、
実際に建築物に利用するには問題が多いとされてきた。
だが、社会と自然環境に対するコストを最小限に抑えた上で
全体的な効率を最大限に高めることを前提とする概念が何よりも重要である。
そのテンセグリティの世界に触れ、テンセグリティによる空間構成の先駆けとして「テンセグリティ・タワー」 (つくば万博 '85) などが生まれ、
テンセグリックトラスなど、疑似テンセグリティとも言うべきシステムが生まれた
先端材料科学センター
この建物に冠された「先端」を建築の構造技術にとっても意味のあるものにしたい
規模こそ小さいが、将来の発展にとって少しでも役に立つ
革新性のあるものを造りたい。
これが構造設計担当者たちの気持ちであった。
結果として、このアトリウムの空間構成に当たって
次のような3つの構造システムを提案することができた。
1. 屋根架構-二方向張弦梁による三角形屋根
2. ブリッジ-非固定式による張弦梁トラス歩廊橋
3. カーテンウォール-ケーブルグリッド方式のMJG (Minimum Joint Glazing) 工法によるガラスファサード
いずれもテンション材との組み合わせによるハイブリッド構造であり、
技術的にもデザイン的にも、
「洗練された未来性」といったイメージの実現を狙っている。
<
>
x
All Rights Reserved, © 2000-2020 Laboratory for Space and Structure